沼田典久

ホルムズ海峡情勢に伴う建設資材への影響および建設コストについて、現時点で把握している状況をご報告いたします。

各種報道でも取り上げられているとおり、現在、建設資材の一部において、出荷停止・受注制限・価格改定等の影響が出始めています。

具体的には、断熱材、防水材、鉄骨錆止め塗料、盤類のうち指定色品や耐塩塗料などで出荷停止の動きが見られます。

また、電線・ケーブルについては受注制限、塩ビ管、PE管、アスファルト合材については価格改定の動きが確認されています。

実際のプロジェクトへの影響としては、着工前の案件において基礎断熱材(スタイロ)の入手が困難となり、代替品の検討・確保により工期遅延を回避した事例や、プールの防水改修工事において、防水材の入手時期が各社とも不確定であったため、入札参加予定者が全社辞退し、入札不調となった案件などがあります。

一方、私が把握している範囲では、現在施工中のプロジェクトについては、先行発注や代替品への切替等により対応が進められており、現時点で顕在化した工期遅延が発生している事例は確認できていません。

今後については、資材の入手難や価格上昇がさらに広がる可能性があり、工期遅延リスクを懸念する声は複数上がっています。特に、比較的小規模な建物や、規模の小さな工務店が施工を担うプロジェクトほど、調達力や代替対応の余地が限られるため、影響が顕在化しやすい傾向があると感じています。

価格高騰については、ご存知のとおり約3年前から継続して上昇してきましたが、日建設計のコストマネジメントレポート等でも示されているように、直近では一部に落ち着きの兆しも見られます。

https://www.nikken.co.jp/ja/expertise/costmanagement_2109-10.html

ただし、基調としては依然として上昇傾向にあり、加えてホルムズ海峡情勢の影響についても今後は懸念されるところです。

また、建設コストに関しては、最近のプロジェクト動向を見ると、地域差がより明確に表れ始めていると感じています。例えばオフィス用途では、東京都内では400万円/坪が、特段珍しい水準ではなくなってきている一方、沖縄では150万円/坪程度で成立しているオフィスビルの事例もあります。

私が直接担当している広島の研究開発施設についても、2年前は150万円/坪程度でしたが、プロジェクトが一時中断し、今年春の再度DBで250万円/坪にて契約となりました。我々としては300万円/坪程度を想定していましたが、地域特性もあり、結果としてはやや低めの水準に落ち着いた事例と理解しています。

以上、現時点での状況報告となります。追加で情報が入りましたら、改めて共有いたします。


SLABをもっと見る

購読すると最新の投稿がメールで送信されます。

コメントを残す

現在の人気

SLABをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む

SLABをもっと見る

今すぐ購読し、続きを読んで、すべてのアーカイブにアクセスしましょう。

続きを読む