SLABとは,辞書的には「厚みのある平たい板・塊」「石・木・金属・コンクリートなどの大きく切り出された一片」a slab of stone(石の板)a slab of meat(肉の塊)をいう。
建築・土木・構造工学では,床スラブ(floor slab),鉄筋コンクリート造で、床・屋根・基礎を構成する水平な板状部材,基礎スラブ(slab foundation),屋根スラブ(roof slab)として一般的に使われる。
語源は,中世英語(14世紀頃)の中英語slabbe(14世紀頃)=平たく厚いもの→古フランス語 eslable /sable→中低ドイツ語 slabbe,古ノルド語 slabbi(ぬかるみ、柔らかい塊)に遡るという。
建築用語として一般的用いられるようになるのは意外に新しく,19世紀後半〜20世紀初頭である。要するに鉄筋コンクリート(RC)構造の「出現」が起源となる。梁beamや柱column(線材)と対比される「面材」としてslab が定着するのである。すなわち,近代建築を成立させたのはSLABである。
”SLAB”は,第一に鉄筋コンクリート(RC)が可能にしたSLABを問いたいと思う。
都市建築批評
Global Criticism on City, Architecture and Housing
を再生させたいという思いがある。 「家,すまい,住,住むことと建てること,住宅=町づくりをめぐる多様なテーマを中心に,身体,建築,都市,国家をめぐる広範な問題を様々な角度から明らかにする新たなメデイア『群居』を創刊します。・・・」とうたったその精神を引き継ぎたい。
SLABが象徴するのは世界が拠って立つ基盤である。身近な問題から問題を立てたい。
衣食住行
Clothing, Food, Dwelling and Transportation
アメリカ合衆国カリフォルニア州,サンディエゴ郡・インペリアル・バレーのサルヴェーション山(Salvation Mountain)近くに,Slab Cityとい呼ばれる街がある。第二次世界大戦中,海兵隊の砲兵訓練基地であったが,戦後、基地は放棄・解体された土地である。残されたのはコンクリート・スラブのみであり,そのスラブの上に住民が勝手に住みだしたのである。しばしば“The Last Free Place in America”言われるSLAB”という命名には,Slab Cityのイメージも込められている。





















